親から教えてもらったこと
2015年09月27日

今日は中秋の名月らしい。
私が親から教えてもらったことの一つに
季節の行事を大切にすることがある。
なので、今日は
お供え物をしてお月見をする日。
嫁いで名字が変わっても
両親が守ってきた行事ごとを
自然とやり続けている今がある。
お月見の日には
おもちやさんで月見だんごを買ってきて
ススキを生ける。 そして
夕ごはんの「里芋の炊いたん」も一緒に供える。
満月にちなみ、丸いもの→里芋となるらしい。
で、ここで毎年問題になるのが
ススキ だった。
ススキって花屋さんで売っていない。
というか、土手や空き地に野生してるものだから、
とりにいかないと手に入らないのだ。
ある年のお月見の日の夕方・・・
小学生の私は、父とススキを探しに出ていた。
近くの土手でススキを見つけた私たち。
二人でサッととって帰りたいのだけど、
思いの外、茎の繊維が強いので、
ここだって場所で手折れてはくれない。
父が思いっきり引きちぎろうとしてもダメで
気持ちは焦るばかり。
ニッチモサッチモいかない状況に、しまいには笑いが込み上げる。
「ハサミがないとあかん」
と力なくつぶやく父・・・
と、鮮明な思い出はここまで。
結局、あきらめて帰ったのか
根っこごと引っこ抜いたのか
ハサミを取りに帰ったのか
残念ながら私の記憶には残ってなくて
これは数少なーい父との想い出。
毎年、お月見の準備をしなくっちゃと思うたびに
この日のちょっと滑稽な父とのやり取りを思い出すんだ。
家族のために、ススキを必死で準備してくれた父の姿を。
仕事ばっかりで、口下手で本当に不器用な人だったけれど
ちゃんと家族を大切にしていてくれたんだなあと。
父が亡くなって17年。
母が亡くなって5年。
親が亡くなってしまうと
もう愛情って親からはもらえないのだと悲観していたけれど
こうして昔を思いだすことで、親の愛情がそこにちゃんとあることに気づく。
そして今でもちゃんと愛情を受け取れる。
今日は、お月様にはもちろん
父と母にもお団子とススキをお供えしよう。
ありがとうって気持ちと共に。